台湾の古都・台南の人気観光スポットである「赤崁樓」に行ってきました。
赤崁樓はオランダ人によって建てられた城砦で、鄭成功政権、中国清朝を経て、日本統治時代には病院施設としても使われた歴史ある古跡です。
300年に及ぶ歴史を持ち、台南観光でも外せない名所の一つですが、学問の神様が祀られていることから台湾の受験生が参拝に訪れることでも有名。
この記事では、赤崁樓の基本情報や営業時間、料金、見どころなどをご紹介していきます!
台南のおすすめ寺院・歴史スポット紹介記事はこちら↓↓↓
赤崁樓とは
「赤崁樓(せきかんろう)」とは、台湾台南市にあるオランダ人によって築かれた城砦跡のこと。
築城当時はプロヴィンティア城と呼ばれ、1652年に起きた郭懷一事件(オランダ統治に対する中国人農民の反乱)をきっかけに、統治体制の強化を目的として1653年に築かれます。
台南市安平区に築かれた安平古堡(ゼーランディア城)とともに、オランダ人による台湾統治の要と言える存在となりました。
漢人には赤嵌楼、または紅毛城と呼ばれたそう!
台南の重要拠点となっていた赤嵌楼ですが、それゆえに鄭成功による台湾攻略時には真っ先に標的とされます。
鄭成功は赤嵌楼を1661年に攻略し、その後オランダ人勢力を台湾から駆逐することに成功。
赤嵌楼は鄭成功政権下で行政・商業を司る機関として再整備され、東都承天府と称されましたが、次代以降にその役割は縮小されていき、火薬貯蔵庫として活用されるに至ります。
台湾が中国清朝の統治下に入るとさらにその重要性は低下し、人的な破壊行為に加えて、風雨や災害による劣化が進み、19世紀前半頃までには城壁のみを残すまでに荒廃してしまいました。
19世紀後半になってから再建が進められ、日本統治時代には施設を陸軍の病院として使用されることに。
第二次世界大戦後になっても修復・発掘が続き、1974年の大規模修復でほぼ現在の外観となり、1983年には台湾政府の文化部によって第一級国定古跡に指定されました。
赤崁樓のクチコミ
これぞ中華圏
TripAdvisorより引用5月末日訪問。鄭成功の遺跡は塗り直されたのか、見事な朱色と藍色の中華風な砦。
隠れたところにある、オランダ統治時代の入り口跡やお庭、1枚目裏にある4枚目の急な階段は歴史を感じさせてもらえました。
中がとても可愛い色使いです!
TripAdvisorより引用台南といったら、ここは行っておいた方がよいかな?と思い、行ってみました。
写真だと、赤レンガっぽい建物ですが、中に入ると青色などが使われ、とても素敵な内装で、ガイドブックで見ていた時と良い意味で印象が変わりました!
カラフルな色彩の中華風の外観と、台南のシンボルとも言える歴史的価値を評価している人が多い赤崁樓。
赤崁樓の他のクチコミはTripAdvisorでチェックしてみてくださいね!
赤崁樓へのアクセスは徒歩がおすすめ
赤崁樓は台鉄・台南駅から徒歩で約15分のところにあります。
台南は市内を網羅した鉄道・地下鉄がないので、選択肢としては徒歩・バス・タクシーあたりになると思います。
バスでも乗車時間は10分前後かかるので、個人的には歩いて行くのが時間短縮にもなっておすすめ。
歩いて行くとなると心配なのは台南の暑さでしょうが、道中は意外と日陰も多く、ボクはそれほど気になることはありませんでした。
赤崁樓へバス・タクシーで行くには
赤崁樓へバスで行く場合には、台南駅前のロータリーから出ている3番か5番の路線を使い、赤崁樓のバス停で下車しましょう。
乗車時間は10分前後ですが、待ち時間も含めると15〜20分ほどかかるでしょうから、徒歩と所要時間はほぼ同じ。
赤崁樓へタクシーで行く場合には、バスと同様、台南駅前のロータリーで捕まえるのが早いと思います。
それなりの台数が待機しているので、ほぼ待ち時間なしで乗れるはず!
ちなみに台北や高雄では普及しているUberは、ボクが訪れた2020年11月時点で台南では利用できませんでした。
赤崁樓へツアーで行くには
赤崁樓は台南の人気観光スポットですが、台南自体がコンパクトな街であるためにあまりツアーは充実していません。
日本語ツアー自体少ないこともあり、団体ツアーではなく個人で貸切チャーターを利用するのも、満足度の高い旅行を実現する一つの選択肢。
ツアー・アクティビティ予約サイトのKKdayには、対応言語での絞り込み機能があり、台北や高雄発のツアーも多少はあるので、時間効率を重視するなら検討の余地もあるかと思います。
\ 赤崁樓をツアーで回るなら /
赤崁樓の営業時間・料金・所要時間
赤崁樓の2020年11月時点での営業時間は8:30〜21:30でした。
けっこう夜遅くまで開いているんですね!
また、入場料として大人は50元(約190円)、学生は25元(約95円)がかかります。(6歳未満であれば無料)
赤崁樓の入り口にチケットオフィスがありますので、まずはそちらでチケットを購入しましょう。
それほど大きな施設ではないため、見学に必要な所要時間は30分もあれば十分だと思います。
赤崁樓の見どころ
発掘作業の様子 ショップ&トイレ
ボクが赤崁樓を訪れた2020年11月は、庭園部分の大規模な発掘作業が行われており、上の写真の通り穴ぼこだらけの状態でした。
メインの建築物の見学や、ショップ、トイレなどの施設は通常通り営業していましたが、なんとなく美観が損なわれたようで残念な気持ちに……。
本来は庭園に設置されている「鄭成功和議像」も見ることができませんでしたが、こればかりは仕方ないですね。
出鼻をくじかれた感はありましたが、気を取り直して見どころを見学していきます。
御贔屓牌
御贔屓牌とは、上の写真手前に写っている9枚の石碑のこと。
1786年、中国清朝統治下において発生した「林爽文事件」を約3ヵ月で治めてみせた福康安という人物を讃えるため、当時の乾隆帝が自ら筆を執り、5篇の詩を作りました。
その作った詩を漢文と満州文で刻ませたのが、御贔屓牌の由来と言われています。
御贔屓牌の上部には飛龍が彫られていますが、当時この意匠は皇帝にしか許されていないものだったそうで、この牌の貴重さがうかがえますね。
海神廟
こちらの門をくぐると……
清朝統治時代の1875年に築かれた海神廟があります!
この海神廟は、オランダ人の築いたプロヴィンティア城の南西稜堡上に重ねるように築かれた建物。
廟の門上には「赤嵌樓」の扁額が掛けられていますが、海神廟の隣に建つ文昌閣には「赤崁樓」の扁額が掛かっているため、どちら(嵌 or 崁)が正しいのか論争もあったそう。
パンフレットには赤崁樓となっていたので、いちおう結論は出たということですかね……?
1階には鄭成功の大きな絵が掛けられており、彼の五言詩から抜粋された「東海流霞」の扁額とともに見どころの一つになっています。
文昌閣
文昌閣は光緒12年(1886年)、当時の台湾知事にあたる沈受謙により、教育振興を目的として建立されました。
海神廟と同じ建築様式で築かれた文昌閣は、赤崁樓の優美なイメージを形作っています。
2階には魁星爺が祀られています。
文昌府(神界の学問を扱う機関)と人間界の学問・官位を司るとされる魁星爺は、かつては中国の公務員試験である「科挙」における試験の神様として信仰を集めました。
魁星爺は北斗七星の自然崇拝が起源であり、右手に辰砂の筆、左手に墨床を持ち、右足で亀の頭を踏みつけ、左足で星を蹴り上げる格好をしているのが特徴。
そんな魁星爺は現代の受験生にも信仰されており、今でも試験合格を祈願する対象となっています。
プロヴィンティア城正門
文昌閣の土台になっている箇所には、かつてのプロヴィンティア城の正門跡があります。
1653年に築かれたプロヴィンティア城は、鄭成功政権、中国清朝の統治下でその役割を変えていきましたが、基礎部分にはプロヴィンティア城時代のものが多く用いられました。
この正門もレンガの壁でふさがれてしまっているものの、かつての階段の跡を見ることができます。
赤崁樓のまとめ
「赤崁樓」は、オランダ、鄭成功政権、中国清朝、日本と様々な国の統治時代を経た歴史ある施設で、台南観光でも定番の人気スポットです。
海神廟を始めとした優美な建築様式も目を引きますが、前身がオランダ時代の城塞であるためか、どことなく異国情緒を感じさせるところも魅力。
また、文昌閣に祀られた学問の神様・魁星爺は、現代においても受験生から祈願の対象とされており、台湾人にとって今なお大事な場所であることも伺えました。
皆さんも台南観光に訪れた際には、ぜひ赤崁樓にも足を運んでみてくださいね!
赤崁樓のまとめ ※ボクの主観での評価です
- ロケーション 台南駅から徒歩圏内&バス停目の前
- 一人でも楽しめる? 台南の人気観光地で一人旅も多い
- 満足度 様々な時代の貴重な遺構と美しい外観は必見!
- 日本語 通じないが、日本語パンフレットあり
台南のおすすめ寺院・歴史スポット紹介記事はこちら↓↓↓
コメントはこちら