まだまだうだるような暑さの続く台湾で、少し気分転換をしたいと思い、台北から約1時間、淡水河口にある街「淡水」へ遊びに行ってきました。
淡水は「夕日の名所」として台湾人にも人気のスポットですが、歴史的建築物も多く残されており、一日かけてゆっくり見て回るだけの見どころがありました。
今回は、その中でも淡水のシンボルの一つとして人気な「紅毛城」へと行ってきましたのでご紹介します。
歴史的な価値はもちろん、景色も良いスポットですよ!
紅毛城とは
「紅毛城(こうもうじょう)」とは、台湾北部の新北市・淡水区にある古跡です。
1628年、当時台湾を支配したスペイン人により建設された「サン・ドミンゴ城」がその前身ですが、城塞の支配権がオランダ、中国清朝、イギリスと移り変わるとともに、名前も役割も変わっていくことになりました。
現在の台湾政府(中華民国政府)に返還されたのは1980年になってからで、1984年から観光客に開放されるようになっています。
紅毛城は軍事目的で建設されたことから、外城壁の厚みが1.9mもあり、城塞としての造りを今に伝えています。
一方で、イギリスが支配した時代には貿易が活発化し、それを管理するべく、領事館としての役割を果たすようになりました。
併設された領事館邸内には当時の様子が再現されており、ここに居住していたイギリス人の暮らしぶりが分かるようになっています。
紅毛城へのアクセス
台北から紅毛城へ行く場合、地下鉄のMRT淡水線で「淡水」駅下車となります。
台北駅から淡水駅までは乗車時間で約1時間。
電車の本数も多く、乗り換えが必要ないので、台北観光のついでに気軽に訪れることができますね。
淡水駅に着いてから紅毛城までは、徒歩で約20分と少し距離があります。
バスも駅前から出ていますが、所要時間は徒歩とほぼ変わらないとのこと。
紅毛城までは淡水河沿いに遊歩道が整備されており、ゆっくり散策するのにも素敵な雰囲気ですので、個人的には歩いていくのがおすすめです!
また、道中にも他の歴史スポットがあります。
実際、ボクも「多田榮吉故居」や「小白宮」といった名所に寄り道しながら紅毛城まで行きました。
淡水に点在する歴史スポットをゆっくり散策しながらでも、3~4時間あれば十分に見て回ることができます。
入り口には大きな水色の門があるのでよく目立っていました。
写真では少し見切れていますが、入ってすぐのところにチケット売り場がありましたので、まずはそちらへ立ち寄りましょう。
チケットは一枚80元(約290円)で、この一枚で紅毛城、小白宮、滬尾砲台の三つの観光スポットに入場することができます。
淡水駅から見て、滬尾砲台は紅毛城よりも先にあるため、少し遠いですが、小白宮は紅毛城への道中にあり、立ち寄りやすいと思います。
紅毛城&イギリス領事館跡を見学
チケットを購入して中へ入ると、公園のように整備されたスペースが広がっていました。
淡水河沿いから見るとやや高い位置にあたるので、日当たりも良く、風も心地よかったです。
入ってすぐのところにあるレンガ造りの建物はお土産屋さん「紅城小舗」です。
観光地らしく物価はやや高い気もしましたが、紅毛城や淡水をモチーフにした雑貨などは台北市内ではあまり見かけませんし、思い出に買っていくのもアリかなと思いました。(台湾人の友人と一緒だったので止めておきましたが…)
こちらは見たままですが、城塞時代に使われていたであろう古井戸です。
すでに水は枯れており、落下防止のためか蓋がされていました。
お土産屋さんの裏手には石階段があり、これを登ると紅毛城です。
傾斜はなだらかですが、思いのほか長い階段だったので息を切らしながら登りました。
紅毛城
階段を登りきると、すぐ目の前には紅毛城が!
城塞としてはそれほど大きくはないのでしょうが、赤茶色の目を引く外観には思いのほか驚かされました。
スペイン統治時代に築かれた城塞ということもあり、いかにもヨーロッパ風の建築様式なのも印象的ですね。
ちなみに「紅毛」というのは城の外観のことを表現しているのではなく、当時のヨーロッパ人のことを台湾人が「紅毛」と呼んでいたことに由来するのだとか。
紅毛城は二階建てで、屋上までは上がれませんが、二階部分までは入ることができます。
上の写真では他の人たちは写っていないものの、実際にはひっきりなしに観光客が出入りしており、かなり賑わっていました。
紅毛城の二階部分からの景色はこのような感じ。
手前の庭園部分で一部遮られていますが、淡水河やその対岸まで見晴らすことができます。
紅毛城内部はイギリス領事館として使用されていた頃の雰囲気をよく残しており、淡水や紅毛城の歴史についての展示もされていました。
上の写真はイギリス領事が使用したとされる執務室です。
当時の暖炉の跡。
紅毛城のミニチュアも展示されており、子供たちに大人気でした。
紅毛城の門前に掲げられている各国の旗は、紅毛城を管理した順番を左から順に示しているのだと思われます。(自信はありませんが、スペイン→オランダ→鄭成功政権→清朝→イギリス→日本→オーストラリア→アメリカ→台湾の順)
イギリス領事館邸跡
紅毛城とは庭園を挟んで反対側に、イギリス領事官邸跡があります。
こちらはイギリスが中国の清朝から紅毛城を借り入れた際、紅毛城を領事館としたために、その東側に増設された建物です。
紅毛城と領事官邸の間には大砲が並べられていました。
「城塞っぽくて雰囲気あるな」と勝手に感動していましたが、実はこれ、もともとイギリス人たちが飾りで置いたものなのだそうです。
庭園からは、こちらも淡水のシンボルのひとつ「観音山」が綺麗に見えました。
なんとなく鹿児島の桜島にシルエットが似ているような気がするのはボクだけでしょうか……。
ちなみに、淡水河の対岸にある観音山ですが、渡し船(往復45元=約160円)で反対側に渡り、登ることもできるそうです。
こちらは領事官邸内のダイニングスペース。
見学者が当時のイギリスの文化・風習を学ぶことができるよう、食器類などもセットされ、展示の説明文も掲示されています。
こちらの客室もきちんとベッドメイクまでされており、当時の様子をうかがうkとができます。
こちらは台湾人の料理人たちが働いていた厨房です。
当時の調理器具も残されていて、どれもどちらかと言うと台湾料理ではなく、イギリスの料理を作るための道具に見えました。
ここに住んでいたイギリス人たちは、遠い異国の地にいるからこそ、母国の料理が食べたかったのかもしれませんね。
紅毛城のまとめ
淡水のシンボルとも言える「紅毛城」は、台湾では比較的珍しいヨーロッパ式の城塞であり、城からの景色も含めて一見の価値がある歴史スポット。
MRTの駅からは少し歩きますが、淡水はゆっくり散策するのにも最適なエリアなので、それもデメリットにはならないと思います。
淡水を訪れる際には、淡水河沿いの散策と合わせ、ぜひ足を運んでみてください!
紅毛城のまとめ
- ロケーション 駅からは遠いものの、淡水の街を散策がてらに行ける
- 一人でも楽しめる? 家族・カップル多めだが、歴史好きならOK
- 満足度 城からの景色、外観ともに見応えあり!
- 日本語 ほぼ通じないが、受付を乗り切れれば問題なし
紅毛城の基本情報
住所 | 251新北市淡水區中正路28巷1號 |
電話番号 | +886-226-231-001 |
営業時間 | 9:30〜17:00 |
入場料 | 80元(約290円) ※紅毛城・小白宮・滬尾砲台の共通券 |
淡水の隠れ絶景スポット「多田榮吉故居」の記事はこちら↓↓↓
コメントはこちら