台北から日帰り旅行もOKな郊外の港町・淡水に、台湾人の友人と遊びに行ってきました。
かつてはオランダやスペインの統治下にあった歴史を持ち、どこか異国情緒を感じさせる淡水ですが、実は日本統治時代に築かれた施設も残っています。
それが今回ご紹介する多田榮吉故居です!
保存状態の良い当時の日本家屋、という歴史的な価値はもちろん、高台にある邸宅から望む淡水の景色も素晴らしく、わざわざ足を運んだ甲斐がありました。
淡水の史跡といえばスペイン人に築かれた「紅毛城」が有名ですが、日本家屋も見逃してはもったいない!
この記事では、そんな多田榮吉故居の歴史やアクセス、見どころなどをご紹介していきます。
淡水のシンボル「紅毛城」の紹介記事はこちら↓↓↓
淡水街長多田榮吉故居とは
淡水街長多田榮吉故居とは、台北から電車で一時間足らずのところにある港町・淡水に残る古跡です。
一見するとただの日本式家屋ですが、日本統治時代の1937年、淡水区長を務めていた多田榮吉という人物の邸宅として建てられた歴史ある施設。
多田榮吉は淡水では有名な起業家でもあり、台湾で様々な役職を歴任したのち、1930年(昭和5年)に淡水街第4期街長に任命され、淡水の発展にも寄与しました。
塀に囲われた住居はベニヒノキが使われ、屋根には赤瓦が葺かれており、日本らしさが色濃く表現された多田榮吉故居は、淡水河を見下ろす高台にあることから景色も良く、台湾人にも知られた観光スポット。
戦後に多田榮吉とその家族は日本に帰国したため、淡水に残された邸宅は台湾の経済部による管轄下となり、2005年に古跡指定、2016年に一般公開されるようになり現在に至ります。
多田榮吉故居のクチコミ
高台の美しい日本家屋
TripAdvisorより引用台北に滞在中、淡水を訪れた際にこちらの場所へ立ち寄りました。高台に位置する淡水の街長だった多田栄吉の故居だった家屋で、日本式の建築はきれいに保存されていました。
散策中思いがけず見学出来ました。
TripAdvisorより引用
紅毛城から淡水遊歩道へ散策している途中、偶然に通りがかり見学出来ました。日本統治時代の日本式住居。1930~1933年に淡水街の第4代街長(現在の区長に相当)を務めた多田栄吉が建設したもので、1934年に完成。敷地面積は約100坪に上る。建材にはタイワンベニヒノキが使用された。と説明書きがありました。随分と丁寧に保存されているのを感じで感動を覚えました。良い物を見せていただいてありがとうございました。
やはり日本人観光客にはあまり知られていないためか、偶然近くを通って立ち寄ってみたという方が多いようですが、保存状態の良い古跡に感銘を受けている様子ですね。
多田榮吉故居の他のクチコミはTripAdvisorでチェックしてみてください!
多田榮吉故居へのアクセス
多田榮吉故居は、台北から電車(台北MRT・淡水信義線)で約40分の淡水站が最寄りです。
淡水站からは徒歩で約15分と少し歩くことになりますが、ほとんどは大通り沿いを歩くだけで良いので、アクセス自体は簡単。
ただし車は多いので注意しましょうね!
こちらが多田榮吉故居の入り口です。
多田榮吉故居は一般公開に向けて修復がされましたが、このレンガ造りの塀はその際に建てられたものだそうです。
1937年に建てられた邸宅の塀にしては新しいなと思いましたが、そういう事情だったんですね!
多田榮吉故居へバスで行くには
淡水は起伏のある土地なので、MRT淡水站から15分歩くというのも人によっては大変です。
そんな方には、淡水站の目の前から出ているバスを使うのがおすすめ!
多田榮吉故居は、MRT淡水站前から紅26のバスに乗車して5分程度の「淡水圖書館」バス停から徒歩約2分。
バスの待ち時間も考えると所要時間は徒歩より長くなりそうですが、歩く時間は大幅に短縮可能ですね。
多田榮吉故居の営業時間・料金・所要時間
多田榮吉故居の営業時間は月曜日〜金曜日は9:30〜17:00、土曜日・日曜日は9:30〜18:00で、毎月第1月曜日は休館となっています。
その他、旧正月期間などは臨時休館があるようですので、訪れる際には事前に公式ページ(営業情報は繁体字のみ)で確認するのが良いでしょう。
多田榮吉故居の見学に料金はかかりません。
敷地はそれほど広くないため(あくまで個人の邸宅ですしね)、見学して少しゆっくりしても、所要時間は30分もあれば十分かと思います。
淡水を一望できる多田榮吉故居を見学
多田榮吉故居の住居入り口がこちら!
外観は昭和初期における日本家屋のイメージそのままという感じで、保存状態が良いため、今でも誰かが住んでいてもおかしくない雰囲気。
入り口のすぐ脇には広めに取られた縁側があり、高台にある多田榮吉故居は心地よい風が吹いていました。
バックに淡水河の爽やかな景色が広がっていることもあって、ここはちょっとした写真撮影スポットにもなっています。
住居の中に入るとこんな感じ!
畳張りの居間には机も置かれており、当時の生活感が再現されていました。
日本人にとってはホッとする光景だなと思っていると、 台湾人たちも寛いでいたので、畳の快適さは万国共通なんだなと納得(笑)
床の間には掛け軸だけでなく、いろいろと展示されており、ちょっとごちゃごちゃしていました。
台湾人にとっては珍しいのか、ここも写真を撮っている人が多かったです!
幕の間と呼ばれる空間には、当時の貴重な資料やそれらの説明文が展示されており、当時の生活の様子が伺えるようになっています。
残念ながら日本語の説明文は無いようでしたが、当時使われていた建材など、見るだけでも十分勉強にはなりました。
なぜか明らかにハワイの写真が展示されていましたが、これはさすがに当時のものではないでしょうし、いったい誰が貼ったものなのですかね……。
居間には淡水河側に向けて開く窓が付いており、ここに腰掛けて風を受けながら景色を眺めるのも気持ちがよかったです!
基本的に湿度の高い台湾ですが、この多田榮吉故居は常に心地よい風が通っていて、どこにいてもとても過ごしやすく感じました。
居間への窓は外から見るとこんな感じ。
ここから外へと出て見ると……
石で組まれた風情ある日本式の池がありました!
台湾では見かけない様式ですが、多田榮吉も異国の地で働きながら、日本を感じられるように作ったのでしょうね。
台湾に移住して一年足らずのボクですら、縁側からこの池を眺めているとなんだか懐かしい気分になりました。
池のそばからの景色はこんな感じ!
高台にあるおかげで、淡水側とその対岸、観音山までをよく見晴らすことができました!
無料でこれだけ清々しい景色を堪能できるのですから、これだけでもわざわざ足を運ぶ価値があると思います。
庭に植えられた大きな木々のおかげで日差しも遮られ、敷地内はとても過ごしやすい空間に。
見学だけであれば10分、15分で済んでしまうでしょうが、心地よすぎてついつい長居してしまいました(笑)
多田榮吉故居のまとめ
多田榮吉故居はその名の通り、淡水の街長を務めた日本人、多田榮吉の邸宅であり、大変保存状態の良い史跡です。
基本は日本式でありながら、どこか台湾ナイズドされた建物は歴史的な価値はもちろん、見る者に懐かしい気分だけでなく、異国情緒も感じさせる不思議なスポットでした。
また、高台に築かれていることから淡水河を見下ろす好立地であり、庭から眺める景色はまさに絶景!
淡水観光のメインである河沿いのエリアからはやや離れているため、比較的空いている穴場なのも嬉しいポイント。
皆さんも淡水を訪れた際には、ぜひ多田榮吉故居にも足を運んでみてくださいね!
多田榮吉故居のまとめ ※ボクの主観での評価です
- ロケーション MRT淡水站から徒歩圏内&見晴らし抜群!
- 一人でも楽しめる? 家族連れが多い、静かなスポットで気にならない
- 満足度 無料で素晴らしい景色と貴重な邸宅跡を見学できる穴場
- 日本語 日本家屋だが日本語での説明は少なめ
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