「鬼ノ城」は岡山県総社市の鬼城山(きのじょうざん)にあり、あの桃太郎に登場する鬼とも伝わる「温羅」が棲まっていたと言われる古代城。
当時の遺構も多く見られる城跡からは、岡山市街を見晴らす絶景も楽しめます!
この記事では、穴場観光スポット「鬼ノ城」への行き方やビジターセンターの様子、所要時間などを紹介しています。
鬼ノ城とは
「鬼ノ城(きのじょう)」は、岡山県総社市に位置する鬼城山(きのじょうざん)に築かれた古代の山城跡。
「鬼」の字を持つものものしい名前の城ですが、「日本書紀」などの歴史書にその名が無く、「日本100名城」に選出されているものの、築城時期も不明な謎の城とされてきました。
その後の発掘調査から7世紀後半に造られた可能性が高くなり、当時の中国・朝鮮半島勢力(唐・新羅)からの侵略に備えて、九州や瀬戸内海沿岸に築かれた防御施設の一つと考えられています。
桃太郎伝説との関係
鬼ノ城は吉備津彦命(きびつひこのみこと)による鬼・温羅(うら)退治の伝承の地としても知られていました。
吉備津彦命による温羅退治は、日本人なら誰もが知っているあの「桃太郎伝説」のモチーフになったとも言われており、鬼である温羅が拠点としていたのが鬼ノ城なのだとか。
歴史的な根拠は発見されていないそうですが、古代から岡山県周辺で長く語り継がれてきた伝承であり、多くの日本人に親しまれている物語の舞台なのだと思うと、ただの城跡とは違った見方もできるかもしれませんね!
桃太郎伝説が残る吉備津神社の記事はこちら↓↓↓
鬼ノ城へのアクセス
鬼ノ城へのアクセス手段は車あるいは徒歩の二択。
車であれば総社駅前からは約20分ですが、徒歩の場合は最寄りの服部駅からでも5kmある上、軽い登山にもなるので相応の準備が必要でしょう。
帰りのことも考えれば、自家用車 or レンタカーで行くか、タクシーで迎車してもらうのがおすすめです。
上の写真は道中の砂川公園辺りから撮影した鬼ノ城。
写真右端のオレンジの丸がそうなのですが、とても遠くにあるように見えますね。
途中、大型バスは通行できないことを警告する看板もありました。
個人で行く分にはサイズオーバーということはないでしょうが、道幅が狭いのは間違い無いので、車に傷が付いたりしないよう慎重に運転しましょう!
鬼ノ城ビジターセンターの駐車場
車で登ることができるのは、鬼ノ城跡のすぐ下に用意されている駐車場まで。
こちらの駐車場は約70台まで停めることができ、ボクが鬼ノ城を訪れた2回ともかなり空いていましたので、満車の心配はないと思います。
ちなみに駐車料は無料で、常時解放されていますが、照明設備が無いため遅い時間に観光するのは止めておいた方が良いです。
駐車場の奥にはそれっぽい遊歩道が整備されており、「鬼ノ城北門」の看板も出ていますが、鬼ノ城の中心である西門とは逆方向。
ぐるっと鬼城山を回るハメになってしまうので、よっぽど時間のある方以外はこちらに進まない方が良いかと。
駐車場と隣接して建っている「鬼城山ビジターセンター」の脇に、鬼ノ城西門への登り道があります。
分かりづらいですが、オレンジの丸辺り。
鬼城山ビジターセンター
こちらは駐車場の目の前にある「鬼城山ビジターセンター」。
このビジターセンターは鬼城山の豊かな自然の保護と、その学習を目的とした施設です。
ボクが訪れたのは月曜日と、運悪く休館日だったのですが、休憩室や展示室などがあり、鬼ノ城に行く前に見学していくのがおすすめ。
鬼ノ城の紹介もされており、城跡に行く前に理解を深めることができますよ。
総社市が運営する施設ということもあって、時間内であれば無料で見学できるのも嬉しいですね!
もちろんトイレも完備。
鬼ノ城跡に行く前に立ち寄るようにしましょう。
駐車場から鬼ノ城跡への行き方
駐車場から鬼ノ城跡の中心である西門周辺まで行くには、ゆるやかな坂道を登って徒歩10分程度といったところ。
管理が行き届いており、城跡までの道は歩きやすく、車椅子用の道も用意されていました。
道順も分岐などがないので分かりやすかったです。
ここまで来れば西門はもうすぐそこ!
西門の手前にあるこちらの展望台のような場所は「角楼」と言い、西門とその背後の防御施設跡なのだそう。
朝鮮式の城郭である鬼ノ城では、「雉城(ちじょう)」という朝鮮式の名前で呼ばれていたかもしれませんね。
絶景!鬼ノ城跡を散策
そして角楼を過ぎると見えるのがこの「西門」!
西門の先には岡山市街まで見渡せる絶景が広がっています!
伝説の鬼「温羅」がここから吉備の国を眺めたのかもしれないと思うと、なんだかロマンがありますよね。
ちなみにこの楼門、復元されたものではあるのですが、あいにく上に登ることはできません。
ですが、古代山城の様式が再現されており、外から眺めるだけでも十分に楽しめると思います!
復元された城というのは全国各地にありますが、古代の山城をここまでの規模で復元した例はあまり見ないでしょう。
その多くを木材のみで築いているものの、十分に威圧感と堅牢さが伝わってきます。
ゆるやかな傾斜のついた坂を降り、門の外へ出ることもできました。
こちらも木製の扉をくぐって振り返ると……
西門が青空に映える構図に!
門の上部に設置された盾のようなものも、他の城跡では見られない特徴的な様式で目を引きますね。
城門の目の前からだと遮るものがなく、はるか遠くまで眺めることができました。
城壁は土壁のようにも見えますが、基礎には石も用いられている土石混築の古代工法によるのだそうです。
この時すでに16時過ぎだったため、夕日に照らされた西門がとても綺麗。
復元されたとはいえ、古代工法を採用しているので崩壊の危険もあるようです。
そうそう崩れることはないでしょうが、無防備に近づきすぎないよう気をつけてください。
城壁の反対側から上がってきた月を撮影。
その反対側では夕日が沈みゆく様も眺めることができました。
夕日に照らされる岡山の平野が幻想的。
鬼城山をハイキング
西門の裏側には小高い丘があり、ちょっとした休憩舎があります。
ベンチがあるわけではないので、ゆっくり休めるスポットではないですが……。
また、鬼ノ城の施設として復元されているのは西門のみですが、鬼城山の9合目付近を囲むように築かれていた城の遺構は見て回ることができます。
おすすめは北回りと比べて眺望が良い南回りコース!
ぐるっと一周するのであればどちら回りでも問題ないのでしょうが、その場合には2時間程度はかかると考えておくのが良いでしょう。
南回りコースのハイライトである「屏風折れの石垣」までは、西門から駐車場とは逆方向に歩いていくことに。
ちなみに城壁の足元に広がるこの石畳は、城壁の足元が痛まないように築かれていたと考えられています。
道中にはソテツのようなあまり見かけない植物も自生していたり。
水門の跡とされる石垣も残っていました。
西門前とはまた違う景色を楽しむこともできるので、時間に余裕がある人はぜひ一周してみてください!
ボクはすでに日が落ちる寸前だったこともあって途中で引き返しました。
照明設備などがない鬼ノ城では、暗くなる前に戻るようにしてくださいね。
帰り道での眺望もおすすめ!
駐車場・ビジターセンターから西門までの道中には展望台も整備されています。
こちらももちろんバリアフリーで、どなたでも見学できるようになっていました。
崖上に突き出したような舞台から……。
鬼ノ城西門を望むことができますよ!
鬼ノ城のまとめ
鬼ノ城はかつて大いに栄えた吉備国を、異国からの侵略から守る要塞だったのでしょうか。
あるいは、伝承にある温羅のような怪物の根城だったのか……。
謎が多く残されている古代城だからこそ、色々なことに思いを馳せることができてとても楽しめました。
もちろん歴史に興味がない方でも鬼ノ城からの景色は一見の価値がある絶景なので、アクセスの悪さにめげず、ぜひ行ってみて欲しいスポットです!
鬼ノ城のまとめ ※ボクの主観での評価です
- ロケーション 市街からビジターセンターまでの悪路はネック...
- 一人でも楽しめる? 人も少なく、一人でもゆっくりできる
- 満足度 古代山城の遺構は迫力満点!西門からの景色も素晴らしい
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