岡山県には、全国でもわずか十二しかない現存天守のひとつ「備中松山城」があります。
山城なだけにアクセスはあまり良くないですが、歴史ある名城なだけに見どころがたくさん!
ボクは二度目の訪問でしたが、何度見ても歴史好きにはたまらないお城でした!
この記事では、備中松山城とは、アクセス、営業時間や料金、見どころなどをご紹介していきます。
備中松山城とは
備中松山城は、「おしろやま」として親しまれている臥牛山の頂を中心に、その全域に及ぶ近世城郭で、全国に現存する十二天守のうちのひとつ。
その歴史は古く、鎌倉時代の地頭・秋庭三郎重信が臥牛山を構成する峰「大松山」に砦を築かれたことが始まり。
天正二年(1574年)に起こった「備中兵乱」時には、「砦二十一丸」と呼ばれるほどの出丸が築かれた記録が残っており、臥牛山全域が城塞となっていたことがわかります。
戦国時代以降、三村氏、毛利氏、小堀氏と代わっていきましたが、備中松山城は備中の重要拠点であり続けました。
現存する天守は天和三年(1683年)に備中松山藩主・水谷勝宗によって修築されたものと伝わっています。
備中松山城のうち、天守、二重櫓、三の平櫓東土塀は国指定重要文化財となっており、その歴史にふさわしく高い評価をされている名城です。
備中松山城のクチコミ
歴史好きにはたまらない
TripAdvisorより引用現存山城の一つということで訪れました。歴史好きにはたまらない、素晴らしい城でした。道中の詳細は別の方の記事に譲ります。
やはり注目は岩のうえに組まれた石垣と城です。山城ならではですが、メイン通りからやや横道にあるのが残念です。よくもこんな凸凹の岩の上に城を建てようと思ったなと感心しきりです。
また城の中の梁が大きく、所々虫食いがあり歴史を感じます。階段の造りも、有事に備えた感じがよくわかります。
とにかく、当時の工夫や知恵、苦労をあらゆる箇所に感じることができ、一見の価値ありです!山城何で歩くことは当然として訪れていただきたいです!
立派な山城
TripAdvisorより引用日本百名城巡りの一環として初めて行きました。駐車場で400円を収め、シャトルバスで登り口まで行きました。そこから15分ぐらい上ると天守に着きました。石垣も含めすばらしい山城でした。天守にも入ることができ、かなりの高さにあるのが分かりました。
日本100名城でもある備中松山城は、その歴史的価値に注目して訪れる肩が多いようです。
備中松山城の他のクチコミはTripAdvisorでチェックしてみてくださいね!
備中松山城へのアクセスは車が便利
臥牛山に建つ備中松山城ですが、駐車場があるので車で行くのが便利!
8合目にあるふいご峠駐車場からは、登山道を徒歩約20分かけて登ることになります。
駐車場は登城整理バスの運行しだい
ただし、注意しなければいけないのが駐車場の場所!
8合目のふいご峠駐車場の駐車スペースは14台分しかないため、5合目にある城見橋公園駐車場(110台)を使わなければいけない日があるのです。
ふいご峠駐車場と城見橋公園駐車場の間に登城整理バス(5合目と8合目を繋ぐシャトルバス)が運行している日は、=ふいご峠駐車場を使えない日になります。
バスの運行日は高梁市観光ガイドHPで確認できるので、事前にチェックしておくといいですね!
ボクが備中松山城を訪れた日は登城整理バスがなかったためふいご峠駐車場を使うことができましたが、平日にも関わらず混雑しており、30分以上は駐車場待ちをすることに……。
ある程度時間に余裕を持って訪れないといけませんね。
ご覧の通り、ふいご峠駐車場はほぼ満車でした。
自家用車やレンタカーを使うのが難しい方は、備前高梁駅からここまでの観光乗合タクシーを使うのが良いでしょう。
高梁市観光ガイドHPに詳しくは記載されていますが、要予約・片道600円という点はご注意ください。
媚中松山城の営業時間・料金・所要時間
備中松山城の入城料は大人500円、小・中学生200円です。
あくまで入城料が必要なのは本丸だけなので、二の丸までは自由に見学することができます。
現存天守を見ないという選択肢はないでしょうが(笑)
入城料と同様、公開時間が決まっているのも本丸だけ。
4月〜9月は9:00〜17:30、10月〜3月は9:00〜16:30が本丸公開時間のため、この時間内に訪れるようにしましょう。
なお、年末の12月29日〜1月3日は休城日となるようです。
所要時間は駐車場との往復も含めると、1時間半から2時間くらいは必要になると思います。
備中松山城への登城道
ふいご峠駐車場から備中松山城までは、徒歩約20分の登山道を登る必要があります。
道中は整備されているので難路ではありませんが、山道には変わらないので歩きやすい靴で行くのが良いですね!
まあまあ傾斜のきつい登り道のため、休み休み登って行くのがおすすめ。
登山道からの景色も素晴らしかったです!
登山道を登り切ると城主が労ってくれますよ(笑)
備中松山城のみどころ
現存12天守の中では最も標高が高く、唯一の山城でもある備中松山城にはここならではの景観も多いので、見どころも盛りだくさん。
ここからはそんな備中松山城の見どころをご紹介していきます。
大手門跡
こちらが備中松山城のかつての玄関口だった大手門跡!
大手門自体は現存していませんが、その背後にそそり立つ石垣は圧巻の光景です。
天然の岩盤の上に石垣を築き、さらにその上に土塀を設けており、山城ならではのワイルドな外観となっていました。
大手門のそばには足軽箱番所の跡地もありました。
往時にはここに足軽が詰めて、来訪者との対応をしていたんでしょうね。
三の平櫓東土塀
この三の平櫓東土塀は、その一部が現存の貴重なもので、国指定重要文化財となっています。
ここの他にも厩曲輪の土塀の一部が現存のものだそう。
この土塀には、四角にかたどられた矢狭間と丸にかたどられた鉄砲狭間が交互に設けられています。
苔むした石垣と土塀は、長い年月ここで風雪に耐えてきた証のようで、なんとも趣深い様子。
右側を見上げると高く積み上げられた石垣が壮観!
ちなみにこの石垣、実は崩落の可能性が危惧されているそうです……。
大手門後方にある巨岩を土台の一部にして積み上げられている石垣ですが、その巨岩の割れ目に樹木が貫入してしまい、徐々にその割れ目が拡大しているのだとか。
調査・観測は進められているものの、石垣の重みに土台が耐えられなくなり、崩落してしまう恐れがあるのですね。
四の平櫓跡(トイレはここ!)
四の平櫓跡のあたりまで上がってくると高梁市街が見晴らせるようになり、気分も上がってきます。
ここには城内で唯一のトイレがありますので、心配な方はここで立ち寄っておくと安心ですね。
実はここは、御膳棚(ごぜんだな)と呼ばれる厨房のような役割を果たす場所だったそうです。
備中松山城 二の丸
四の平櫓から石段を登り、本丸が見えてきたあたりが備中松山城の二の丸です。
二の丸からの景色は爽快です!
二の丸には建築物は残っていませんが、この景色を見るためにもぜひ振り返ってみてくださいね。
広いスペースにベンチも設置されており、ここで城下を眺めながら休憩したり、お昼ご飯を食べている方も多くいました。
備中松山城 本丸
二の丸を抜けるとすぐに備中松山城の本丸があります。
ここからの景色、見覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は2016年にNHKで放送された大河ドラマ「真田丸」で、オープニング映像に使われたことがあるんです。
ボクもリアルタイムで観ていたのでびっくり!
本丸の他にも、石垣と土塀もオープニングで少し登場していたそうです。
ちなみに、現在の長野県上田市周辺が拠点であった真田氏と備中松山城には直接的な関わりはないとのことでした。
こちらの石段を登ると、本丸内部、天守があります。
ここで入城料(大人500円、小・中学生200円)を支払う必要があるのでお忘れなく!
備中松山城 天守
本丸の奥には備中松山城の天守があります。
この天守は備中国松山藩の2代目藩主・水野勝宗が1683年に大改修したものと伝わっており、全国でもわずか12しかない貴重な現存天守でもあります。
ちなみに現存天守では一番小さく、一番標高が高い天守なのだとか!
この天守は二層二階構造で、高さは11mほどあります。
見た感じでは、他のお城に比べて小ぢんまりした印象ですね。
天守内部は見学することができます。
天守へと続く石段を登り、中へ入ってみましょう!
天守への出入り口の目の前には八の平櫓跡があり、日本遺産にも選ばれている吹屋ふるさと村の方向を望むことができます。
天守に入る際には出入り口で靴をスリッパに履き替えましょう。
内部にも石垣がある不思議な構造ですが、外観は三階に見えるようデザインされた結果、こうなったのでしょうか。
この部分は八の平櫓天守をつなぐ接続廊下(つなぎろうか)になっています。
こちらが天守の内部一階です。
備中松山城や高梁についての資料が数多く展示されており、どれも興味深いものばかりでした。
梁にも趣がありますね。
こちらの武者窓(連子窓)は、正方形の角材を外に向けて並べており、外からは中から見え辛く、中からは広角に外が見える設計がされています。
ごらんの通り、外がよく見えました!
天守一階にある囲炉裡は、籠城戦の際に城主の食事や暖房用に作られましたが、ほとんど使われることはありませんでした。
天守の中に切り込みの囲炉裡があるのは全国でも珍しいそう。
戦国時代、ここは備中国の中心であったことから、常に戦に備えるための知恵なのでしょうね。
装束の間は天守一階から一段高くなっていて、平時は城主の御座所として、落城時には城主一族の自害の場として使われる空間です。
床下には石を敷き詰め、忍びの者でも進入ができないよう備えられています。
現在は備中松山城の紹介VTRが放映されていました。
かなり急な階段を登ると……
天守二階にあたる空間には、御社壇と呼ばれる神々を祀る部屋があります。
1683年、当時の城主・水野勝宗が備中松山城を修築した際、水谷氏の守護神である羽黒大権現などの神々を勧請し、事あるごとに盛大な祭典を行ないました。
天守の頂点までも見ることができるお城はなかなか無い気がしますね。
天守二階の武者窓からの景色がこちら!
臥牛山上に築かれた備中松山城からは、遠くに城下町・高梁を望むことができます。
これが当時の城主たちが見ていた景色だと思うと感動!
二重櫓
天守の脇に伸びる道を奥へと進んでいくと……
こちらも国指定重要文化財である二重櫓が!
天守の北側に位置する二重櫓は、天然の岩盤の上に石垣を築き建てられており、二層二階建ての構造になっています。
内部は開放されていませんが、上の写真の天守に通じる南側出入り口と、後曲輪に繋がる北側出入り口があるそう。
猫城主さんじゅーろー
二重櫓から戻る途中、変な法被を着たおじさんが前を歩いていました。
やばい人かなと思い(失礼)、少し距離を置いて歩いていくと……
なんとおじさんが猫を連れていました!
この猫、実はただの猫ではないのです。
彼は備中松山城の猫城主ことさんじゅーろーです!
毎日10時と14時に城内を見回りされており、ボクもたまたまそこをお見かけしたようです。
Q いつからいるの?
高梁市観光ガイドHPより引用
A 平成30年7月豪雨災害(西日本豪雨災害)の後、山を彷徨っていたら備中松山城に辿り着いて、すっかり気に入ってしまっていつの間にか住むようになったにゃん。その後、一度ぼくの野生魂が騒いで脱走事件を巻き起こしたにゃん。11月4日~11月23日まで19日間のかくれんぼを楽しんだのち、家臣の元に戻ったにゃん。そして平成30年12月16日には「再入城の儀」を執り行い、正式に猫城主に就任したにゃん(=^・^=)
上記のような経緯で城主に就任されたさんじゅーろーですが、その名前の由来は、備中松山藩出身の新選組隊士・谷三十郎と、発見された場所が備中松山城三の丸だったことだそう。
日向ぼっこするさんじゅーろーが可愛い(笑)
撫でてあげるのはOKで、とても人懐っこい性格だったので、猫好きの方はぜひ触れ合ってみてくださいね。
帰り道はのどかな坂道がおすすめ
備中松山城から駐車場への帰りは、来た道を戻ることもできますが、坂道が多めの別ルートも存在します。
階段多め(往路と同じ)か坂道多めか好みで選ぶこともできますが、坂道多めルートの方が人が少なく、のどかな気持ちで散策することができておすすめ!
のどかな景色を眺め、鳥のさえずりを聴きながらのんびりと下っていきます。
すでに12月に入っていましたが、まだちらほら紅葉も見られました!
さすがに下りになる帰り道は行きより楽で、おおよそ15分程度でふいご峠の駐車場に戻ることができました。
備中松山城雲海の撮影スポット!
数年前に、兵庫県にある竹田城が雲海に浮かぶ城として有名になりましたよね。
実は備中松山城も、竹田城と同様に雲海に浮かぶ絶景が見られる城なのです。
毎年9月下旬から4月上旬の夜明けから午前8時頃までが鑑賞には最適に時期で、天候が良く、無風で、朝と日中の気温差が大きいなどの条件が揃うと雲海が発生します。
特に10月下旬~12月上旬の早朝は期待大!
備中松山城が雲海に浮かぶ姿を鑑賞・撮影したい場合、10km前後離れた別の山にある備中松山城展望台へ行きましょう。
ただし、展望台の駐車スペースは狭く、混雑している場合は付近の路上に縦列駐車をすることになるのでご注意を!
備中高梁駅前からの乗合タクシーは要予約ですが、往復2,000円と手頃な料金なので、自家用車やレンタカーを使わない人はこちらを検討してみてください。
備中松山城周辺の観光スポット
広島県と境を接する岡山県高梁市は、その中心部がかつて備中松山城の城下町でした。
市内には高梁川、成羽川が流れ、物流が盛んであったことから、備中国でも中核的な存在であった高梁の町には、往時の様子を残す観光スポットがあります。
備中松山城とセットで巡りたいおすすめスポットをご紹介します!
武家屋敷
城下町であった高梁の町には、今も当時の様子を窺い知ることができる武家屋敷が残っています。
江戸後期に建てられた旧折井家は、漆喰壁の格式高い造りで、160石の俸禄をもらう馬廻役の武士が住んでいました。
庭に面して資料館もあるので、当時の武士の生活を覗いてみることができますよ!
旧埴原家は江戸中期の建築で、寺院や数寄屋の要素を取り入れた一風変わった造りが特徴。
市の重要文化財に指定されている貴重な建物です。
旧折井家の基本情報(2020年6月時点)
住所 | 高梁市石火矢町23-2 |
電話番号 | 0866-22-1480 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
休館日 | 12月29日~1月3日 |
入館料 | 500円 |
駐車場 | 7台(旧折井家・旧埴原家共通) |
旧埴原家の基本情報(2020年6月時点)
住所 | 高梁市石火矢町27 |
電話番号 | 0866-23-1330 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
休館日 | 12月29日~1月3日 |
入館料 | 500円 |
駐車場 | 7台(旧折井家・旧埴原家共通) |
頼久寺・庭園
頼久寺は、室町幕府開祖・足利尊氏が諸国に命じて建立させた安国寺の一つと言われ、その庭園は国指定名勝となっている見事なもの。
頼久寺の庭園を築いたのは当時備中国奉行であった小堀遠州で、遠州式の原点が見られる美しい枯山水はとても高く評価されているそう。
江戸初期には完成したとされ、安土桃山時代から江戸時代を生きた小堀遠州らしく、桃山後期の特徴が盛り込まれています。
頼久寺の基本情報(2020年6月)
住所 | 岡山県高梁市頼久寺18 |
電話番号 | 0866-22-3516 |
公式HP | http://raikyuji.com/ |
営業時間 | 9:00〜17:00 ※年中無休 |
拝観料 | 大人:400円 中高生:200円 |
駐車場 | 10台 |
備中松山城のまとめ
備中松山城のまとめ ※ボクの主観での評価です
- ロケーション アクセスは良くないが、見晴らし抜群!
- 一人でも楽しめる?
- 満足度 現存天守や高梁の城下町を見晴らす眺望に大満足
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