岡山県は誰もが知っている昔話「桃太郎」で有名ですが、それゆえに岡山各地には桃太郎にまつわる伝承も数多く存在します。
今回はそんな桃太郎伝説の元になったという人物、吉備津彦命を祀る「吉備津彦神社」に参拝してきました。
同じく吉備中山に鎮座する吉備津神社とセットで参拝がおすすめ!
この記事では、吉備津彦神社の歴史と伝承、アクセスや見どころなどをご紹介していきます。
吉備津神社のアクセス・見どころ紹介記事はこちら↓↓↓
吉備津彦神社とは
吉備津彦神社は岡山県岡山市西部、かつての備前国と備中国の境に位置する吉備中山(きびのなかやま)北東麓に鎮座する神社。
同じく吉備中山に鎮座する吉備津神社とは主祭神も共にしており、かつてこの地を治めたとされる吉備津彦命(きびつひこのみこと)を祀っています。
創建は不明とされていますが、大化の改新を経て吉備国が備前・備中・備後の三国に分かれると、吉備津彦神社は備前国一宮とされ、崇拝されてきました。
夏至の日の日の出は鳥居の正面から昇り、神殿の御鏡に入ることから「朝日の宮」とも称されているそう!
ちなみに、主祭神の吉備津彦命は桃太郎のモデルとも言われ、日本遺産「桃太郎伝説」の生まれたまち おかやまの構成文化財にも認定されています。
岡山の桃太郎伝説が残るスポットはこちら↓↓↓
吉備津彦神社へのアクセス
吉備津彦神社へのアクセスは電車を利用するのが便利。
最寄りはJR吉備線・備前一宮駅で、岡山駅からは電車で約15分です。
備前一宮駅から吉備津彦神社の境内までは徒歩約4分とすぐ近くなので、気軽に参拝することができますね。
吉備津彦神社へ車で行くには
吉備津彦神社には参拝者用の駐車場があり、約100台、正月は臨時駐車場も加えて約300台まで停めることができるようになります。
気をつけなければいけないのが閉開門時間!
駐車場の開場は6:00から18:00なので、それ以外の時間には駐車することができなくなります。
朝は問題ないでしょうが、夕方に参拝しようとすると出庫の時間も気にしないといけませんね!
吉備津彦神社の営業時間・料金・所要時間
吉備津彦神社の参拝可能時間は駐車場の開門と同じく6:00から18:00ですが、神符授与所は8:30から17:00、祈祷受付は9:00から16:00となっています。
拝観料は必要なく、境内を隅々まで見て回ろうと思うと、参拝の所要時間は45分〜1時間程度でしょう。
吉備津彦神社の見どころ
こちらが吉備津彦神社の参道。
吉備津彦神社は由緒ある古社であり、それゆえに見どころもたくさんありました。
さっそく境内の見どころをご紹介していきたいと思います!
亀島神社・鶴島神社
参道の脇には神池がありますが、左右それぞれに亀島神社、鶴島神社が鎮座していました。
この時は冬だからか、神池に水は張っていませんでしたが……。
亀島神社の御祭神は市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)という水の女神様、鶴島神社の御祭神は底筒男命(そこつつのおのみこと)をはじめとする四柱で、海上安全を司る神様です。
隋神門
参道を抜けると見えてくるのが吉備津彦神社の隋神門。
元禄十年(1697年)、岡山藩(池田家宗家)二代目藩主・池田綱政によって造営されたもので、二柱の門番の神様が祀られています。
綱政は有名な日本三大庭園「後楽園」を造営させた藩主でもあります!
この時は今上天皇の御即位された年だったため、垂れ幕が提げられていました。
吉備津彦神社は1930年の失火により社殿の多くが焼失してしまったものの、この隋神門は現存する貴重な建築物なので、ぜひじっくり見てみてください!
大灯籠
隋神門を抜けた後には、日本一の高さを誇る大灯籠が二基立っています。
写真では伝わりにくいですが、高さはなんと11.5mもあるのだとか!
文政十三年(1830年)から安政四年(1857年)の27年間にも渡って寄付がよせられ、安政六年(1859年)に天下泰平を祈願して大灯籠が建立されました。
基壇部分には1670余名の奉納者の名前が刻まれています。
平安杉
拝殿の目の前には、樹齢千年を超えるとされる御神木があります。
1930年の火災時に火に炙られた影響で、近年になって幹の空洞化と老化が進行してしまい、一時は倒木の不安もあったそうですが、寄付もあって無事に手術をすることができたそう。
これからも吉備津彦神社のシンボルとしてあり続けてほしいですね!
祭文殿・渡殿・本殿
吉備津彦神社の本殿(上の写真一番右)は、拝殿から祭文殿、渡殿と連なって一直線になっている珍しい特徴があります。
祭文殿と渡殿は上の写真のように、段違いの建築物であるのを繋いでいます。
一番奥にある本殿は、寛文八年(1668年)に岡山藩(池田家宗家)初代藩主・池田光政が造営に着手し、子の綱政の元禄十年(1697年)に完成したもの。
失火による焼失からも免れた貴重な建築物で、岡山県の指定文化財でもあります。
三間社流造りという建築様式の本殿は、飛鳥時代の社殿建築の技術が盛り込まれており、吉備国の神社建築の伝統でもある「流造り」の姿をよく現していると評されています。
三間社流造りというと、他には鹿島神宮や香取神宮が有名ですよ!
子安神社と七つの末社
本殿の脇から右側に抜けると……
また鳥居が見えてきます。
階段を登った先には子安神社が鎮座していました!
吉備津彦神社の摂社である子安神社は、縁結び、子授け、安産などを司る神として熱心なお参りがあります。
慶長年間、岡山藩備前監国の池田利隆は子宝に恵まれなかったが、子安神社への祈願後、たちまち後継ぎが生まれたと伝えられているそう。
子安神社の脇に自生する蕨を夫婦で食べると懐妊するという伝承もあるそうですよ!
子安神社のとなりには、七つの末社が並んでいました。
天満宮
子安神社の石段の下には天満宮があります。
菅原道真公が太宰府に赴く途中、吉備津彦神社に立ち寄ったという由縁があって天満宮が建てられたそうです。
今でもその故事にちなみ、吉備中山の麓に「一宮 字 天満平」という地名が残っているのだとか。
稲荷神社
拝殿に向かって左側に抜けると、稲荷神社の赤鳥居が立ち並んでいます。
最後に石鳥居があり、これを抜けた先の石段を登ると……
……けっこう長い石段を抜けると……
小さな稲荷神社が!
吉備津彦神社の本殿からは離れているため、静謐な空間が広がっており、落ち着いてお参りすることができました。
温羅神社
稲荷神社の鳥居のそばには、かつて主祭神・吉備津彦命に討伐されたという温羅(ぬら)を祀る温羅神社があります。
温羅は桃太郎(=吉備津彦命)に退治された鬼のモデルとも言われていますね。
小さな社ですが、ぜひこちらにも立ち寄ってみてください!
隋神門前の甘味処でほっこり
吉備津彦神社の隋神門前には甘味処があります。
周辺にはあまり飲食店が多くないので、参拝の後にはこちらで休憩して行くのがおすすめ!
軽食や甘味が揃っており、どれも美味しそうでした!
ボクはこのまま吉備の中山道を歩いて吉備津神社も参拝したかったので、やむなく断念することに……。
吉備津彦神社のまとめ
「吉備津彦神社」は吉備中山の麓に鎮座する備前国一宮でもある古社。
同じく吉備中山の麓に鎮座する吉備津神社とは主祭神も共にしており、桃太郎伝説のモデルとなったと言われる「吉備津彦命」を祀っています。
古来より両社にお参りする「両参入り」が良いとされていますので、時間がある方はどちらも参拝するのがおすすめ。
皆さんも岡山観光に訪れた際には、ぜひ吉備津彦神社にも足を運んでみてくださいね!
吉備津彦神社のまとめ ※ボクの主観での評価です
- ロケーション JR吉備線・備前一宮駅から歩いてすぐ!
- 一人でも楽しめる? 家族連れが多いが、広い境内は落ち着いて参拝できる
- 満足度 備前国一宮である古社は歴史もあり、見どころたくさん
コメントはこちら