5月末、梅雨ど真ん中の沖縄本島を旅行してきました!
その中で真っ先に訪れたのが、琉球王国最高の聖地と謳われる「斎場御嶽(せーふぁうたき)」です。
実は2012年にも一度訪れているのですが、なんとも清々しい気持ちになったことを十年後の今でも鮮明に覚えており、また沖縄へ行く機会があればぜひ再訪したいと思っていたスポット。
今回はあいにくの雨ではあったものの、十分以上にその雰囲気を堪能することができました。
この記事では、斎場御嶽の見どころだけではなく、アクセスや駐車場、参拝にかかる所要時間や雨天観光時の注意点をご紹介していきます。
斎場御嶽とは
斎場御嶽(せーふぁーうたき)は、琉球創生の神・アマミキヨによる国造り伝説にも登場し、琉球王国最高の聖地とされています。
御嶽(うたき)は南西諸島に広く点在する「聖地」の総称であり、沖縄にも数多く存在していますが、斎場御嶽はその中でも古来から多くの人々に崇拝されてきました。
琉球王や聞得大君(きこえおおきみ、琉球の信仰における神女の最高位)による聖地巡拝を指す「東御廻り(あがりうまーい)」においても参拝地となっています。
斎場御嶽の中には六つのイビ(神域)があるとされ、代々の琉球王はこの六ヶ所のイビを参拝しながら国家繁栄や五穀豊穣、航海の安全を神に祈願しました。
斎場御嶽は、今も脈々と受け継がれる祈りの文化が評価されたことで、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして2000年に世界文化遺産に登録されています。
世界遺産に登録されたことで、斎場御嶽を沖縄きってのパワースポットとして取り上げるメディアも増えたように思います。
聖地ゆえか、斎場御嶽を訪れた際に不思議な体験をしたという方もおり、「斎場御嶽 不思議体験」で検索してみると体験談が数多くヒットするので、興味がある方はチェックしてみてください。
斎場御嶽へのアクセス・駐車場
斎場御嶽は沖縄県南部の南城市東端にあります。
那覇空港からは沖縄都市モノレール(ゆいれーる)と路線バスを組み合わせて訪れることもできなくはありませんが、車かタクシーを使うのがベターでしょう。
車・タクシーの場合は那覇空港から約50分、タクシー運賃は交通状況や経路しだいではあるものの約5,000円前後になるようです。
路線バスで訪れる場合には、バス運行情報などがまとめられている斎場御嶽HPを参考にするのがおすすめ!
斎場御嶽の駐車場
斎場御嶽入り口からはやや離れた南城市地域物産館(道の駅)に斎場御嶽参拝者用の駐車場があります。
駐車料金は無料ですが、それほど駐車可能台数は多くないように見受けられたので、夏休みシーズンなんかは満車になるのかもしれません。
ちなみに斎場御嶽の入場券はこの南城市地域物産館で販売しており、購入せずに入り口に向かっても中へ入れないので、必ず事前に入場券を購入しましょう!
斎場御嶽駐車場
住所 | 〒901-1511 沖縄県南城市知念久手堅453 |
電話番号 | 098-948-4660 |
駐車料金 | 無料 |
営業時間 | 24時間 |
駐車台数 | 60台 |
車高制限 | なし |
主要観光地からのアクセス
那覇空港(車・タクシー) | 約50分 | 那覇空港(路線バス) | 約70分〜 |
平和記念公園 | 約30分 | 瀬長島 | 約40分 |
首里城 | 約40分 | アメリカンビレッジ | 約50分 |
パイナップルパーク | 約1時間半 | 万座毛 | 約1時間 |
美ら海水族館 | 約2時間 | 辺戸岬 | 約2時間半 |
斎場御嶽の営業時間・料金・観光の注意点
斎場御嶽が見学できる時間は時期で異なります。
チケット販売 | 斎場御嶽入場 | |
---|---|---|
11月〜2月 | 9:00〜16:45 | 9:00〜17:30(最終入場 17:00) |
3月〜10月 | 9:00〜17:15 | 9:00〜18:00(最終入場 17:30) |
斎場御嶽の最終入場から参拝終了時間までは30分ありますが、しっかり参拝しようと思えば所要時間 45分〜1時間は見ておいた方が良いです。
聖地を慌ただしく回るのはよろしくないでしょうし、足場が悪いところもあるので余裕を見ておきましょう!
基本的には曜日に関わらず上記の通りなのですが、年に二度の休息日があります。
現時点で2024年1回目まで発表されているので、斎場御嶽を参拝する際には念のためチェックすると安心。
- 2022年……5月30日(月)〜6月1日(水)、10月25日(火)〜10月27日(木)
- 2023年……6月18日(日)〜6月20日(火)、11月13日(月)、11月15日(水)
- 2024年……6月6日(木)〜6月8日(土)
日付が毎年変わるのは、旧暦で休息日を決めているからのようです。
※旧暦では5/1〜3、10/1〜3が例年休息日
入場券は南城市地域物産館の券売機で購入できるようになっています。
大人(高校生以上) 300円、小・中学生 150円となります。
駐車場のすぐ目の前ですので、斎場御嶽に行く前に必ず立ち寄るようにしましょうね。
斎場御嶽を参拝する前に……注意すべきこと
斎場御嶽HPでは参拝にあたり、いくつか注意点が明記されています。
特に気をつけたいのは以下の5つ。
- 敬う心構えを忘れない
- 他の人の祈りを遮ったり、写真を撮らない
- 石や動植物など、聖地内にあるものを持ち出さない
- 香炉(拝所に据えられた四角い石)にものを置いたり、座らない
- 過度な露出(ミニスカート・短パン・キャミソールなど)は控える
斎場御嶽は聖地であり、祈りの場であり、地元の方にとって大事な場所でもあります。
マナーを守って参拝するようにしましょう。
駐車場から斎場御嶽へ移動
駐車場のある南城市地域物産館から斎場御嶽までは約500m(徒歩7〜10分)とやや離れています。
駐車場から国道331号線を横断し、郵便局の裏の角を曲がればあとは道なりに緩やかな上り坂を進むだけ。
案内員の方が立っているので迷う心配はないと思いますが、雨の日などはあんな委員の方が不在ということもあるので、南城市地域物産館でこのマップの写真を撮っておくと良いかも。
郵便局の角を曲がった後はこのように舗装された緩い上り坂が続きます。
この日は雨天&早い時間(9時半頃)だったので、他の人もおらず、通りのお土産屋さんもあまり空いていませんでした。
梅雨真っ只中のオフシーズンだったからかな……。
突き当たりまで行くと斎場御嶽の入り口(緑の館・セーファ)があります。
建物内で入場券を提示し、参拝にあたっての注意点について説明を受けてから入場となります。
斎場御嶽を参拝 見どころ紹介
緑の館・セーファを抜けると、世界遺産登録を記念した石碑が建てられていました。
ここから先は琉球の創生神アマミキヨによって創造された聖地「斎場御嶽」の領域、厳かな雰囲気が漂います。
ここからは斎場御嶽の参拝順路に沿って見どころをご紹介していきます。
石畳で舗装されている部分が多い斎場御嶽ですが、特に雨天だと滑りやすく、また石畳保護の観点からもスニーカーなどで参拝するのがおすすめです。
かつての琉球において、御嶽(=聖地)は男子禁制とされていました。
琉球最高の聖地「斎場御嶽」も同様であり、庶民は入口にあたる御門口(うじょーぐち)を越えて進入することは許されず、国王でさえ、御門口より先に入るには袂の合わせを女装に改める必要がありました。
※近年は観光客の増加やマナー違反が目立つようになったこともあり、地元の南城市では文化財保護のため男子禁制の復活も検討しているそうです。
久高島遥拝所
久高島(くだかじま)は、琉球王国時代から数々の神事が行われてきた「神の島」。
創生神アマミキヨが降臨して最初に創った島であり、五穀発祥の地として歴代琉球王に敬われてきました。
17世紀まで、歴代の琉球王は2年に1度の久高島参詣を欠かすことはなかったそうです。
久高島遥拝所は御嶽に入る入り口(=御門口)のすぐそばにあり、久高島を一望することができます。
この日はあいにくの悪天候で、往路では残念ながら久高島は見えず……。
と思っていたら、復路では雨が止んだことで久高島もはっきりと見えました!
本来、斎場御嶽の最奥にある三庫理(サングーイ)からも久高島は見えますが、2022年5月時点ではコロナ対策により三庫理の先に進むことができません。
他に斎場御嶽で久高島を望むことができるのは久高島遥拝所だけなので、参拝の際にはぜひ一度立ち止まってみてください。
第一の神域:大庫理(ウフグーイ)
御門口を抜けて最初にあるのが、六つある神域(イビ)の一つ目「大庫理(ウフグーイ)」。
大庫理には大広間、一番座というような意味があり、斎場御嶽の最初の拝所にあたります。
最奥の大きな岩の下には石畳が敷かれていて、祈りの場となってきました。
新たな聞得大君が最高神職へと就任する儀式「御新下り(おあらうり)」においては、聞得大君のお名付けの儀礼が行われたとされています。
聞得大君(きこえおおきみ)は「最も名高い神女」という言葉の意味通り、琉球王国の信仰において神女の最高位。
琉球王国と琉球王を霊的に守護する存在とされ、そのため王の姉妹など、王族の女性が任命されました。
初代(1470年)から15代(1875年)までの400年以上にわたり、聞得大君は琉球王国の神事を司ってきた存在です。
御新下り(おあらうり)はその聞得大君が琉球王国の最高神職に就任するために行われる儀式。
首里での儀礼、いくつかの要所を経て斎場御嶽へと入り、神域を巡って儀礼を執り行ったとされます。
聞得大君は斎場御嶽で聖水を額に付ける「御水撫で(うびぃなでぃ)」により神霊を授かり、神と同格の存在として扱われるようになります。
第二の神域:寄満(ユインチ)
二つ目の神域「寄満(ユインチ)」は、琉球王府の言葉で「台所」を意味します。
大きな岩が前方にせり出して、その下の部分が台所に見えなくもないですが、文字通りここで調理をしていたわけではありません。
寄満の由来は「豊穣の寄り満つるところ」であり、かつて交易で栄えた琉球王国で、世界中から交易品の集まるところを意味すると考えられています。
第三・四の神域:聖水を受ける壷
三庫理へと続く道中にあるのがこちらの二つの壷。
手前が「アマダユルアシカヌビーの壷」、奥が「シキヨダユルアマガヌビー」と呼ばれるこれらの壷は、この真上にある鍾乳石から滴り落ちる聖水を受けるために据え置かれています。
壷に溜まった聖水は、御新下りの儀式において使われる神聖なものであり、触れることは禁止されているので注意しましょう。
第五・六の神域は立ち入り禁止
斎場御嶽の最奥には印象的な二つの巨岩があります。
五番目の聖域「三庫理(サングーイ)」と六番目の聖域「チョウノハナ」は、この二つの巨岩がもたれ合ってできた三角形の空間を抜けた先にあります。
ちょうどここを通り抜けた先の突き当たりが三庫理で、そのすぐ右側にチョウノハナがあります。
この先はそれほど広い空間ではないためか、現在はコロナ対策ということで柵が設けられ、通り抜けは禁止されてしまいました。
以前先まで進んだ時は、静謐な空間がとても神秘的に感じられました!
またいつか開放されるといいですね。
斎場御嶽 雨天参拝の注意点
沖縄きってのパワースポット「斎場御嶽」の見どころを紹介してきましたが、ここでは雨天観光の場合の注意点、雨が降っていても行くべきなのかについて触れたいと思います。
結論から言えば、「雨だろうと斎場御嶽は参拝すべし!」ということになります。
琉球王国最高の聖地とされていただけの見応えと感動がありますし、よっぽどの悪天候でなければ、雨の日でも訪れることをおすすめします。
ただし、雨天の中で参拝するのであれば気をつけた方が良いこともあります。
ボクの実体験に基づく注意点は以下の4つ!
斎場御嶽 雨天観光の注意点
- 石畳の道は滑る&ぬかるみが多い → 汚れても良いスニーカーがベスト(次点で洗えるサンダル)
- 道が狭く風もある → 雨具は傘より雨合羽の方が濡れずにすむ
- 御嶽内に雨をしのげる場所はない → スマホの防水対策ができると安心!
- 御嶽内は雨が増えるとかなり冷える → 通常観光時の服装 + 1枚で防寒対策を
雨の日でもぜひ参拝したい斎場御嶽。
しっかり対策したうえで、ぜひ楽しんでくださいね!
おみやげ市場も立ち寄ろう
斎場御嶽の観光を終えたらそのまま帰るのではなく、駐車場に隣接する南城市地域物産館の「おみやげ市場」も覗いてみてください。
沖縄の定番土産が揃っており、日本全国への発送も可能ということなので、旅行終盤であればここでお土産を確保しておくのも良さそうです。
斎場御嶽のある南城市で誕生したバヤリースの特設コーナーもありました!
沖縄の伝統菓子といえばサーターアンダギーが有名ですが、この「三矢本舗」は県内に複数店舗を構える人気店です。
小腹が空いたときにパクッといくにはちょうど良いサイズなので、テイクアウトするのもおすすめ!
南城市地域物産館にはちょっとした飲食スペース(屋外)やゴミ箱、トイレなどもあるので、一息入れるのにもちょうど良いかと思います。
斎場御嶽のまとめ
斎場御嶽は琉球王国最高の聖地、沖縄きってのパワースポット。
世界遺産にも登録された貴重な文化財でもあり、国内外から多くの観光客が訪れています。
ボクは10年前と今回で二度参拝して、どちらも行ってよかったという気持ちになりました!
今回は雨天でしたが、対策しておけば雨はそれほど苦になりません。
今でも地元の方々にとっては祈りの場であり、大切な場所なので、くれぐれもマナーを守りながら参拝したいですね。
斎場御嶽のまとめ
- ロケーション 車がないとやや厳しいか……。
- 一人でも楽しめる? 一人客は多くないが、静謐な場所なので気にならない
- 雨天でも大丈夫? よっぽどの悪天候でなければOK!靴は汚れても良いものを
- 満足度 沖縄きってのパワースポットにふさわしい聖地
斎場御嶽の基本情報
住所 | 〒901-1511 沖縄県南城市知念久手堅539 |
電話番号 | 098-949-1899 |
駐車場 | 無料 |
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