マニラ旅行の初日、定番の観光地「イントラムロス」へ向かう前に、まずは気になっていた聖セバスティアン教会へ行くことに。
ガイドブックの片隅に載っていたのを見て気になっていましたし、滞在先の「1898 Hotel Colonia En Las Filipinas」でスタッフの方にもおすすめされ、真っ先に訪れることにしました。
治安が悪いと言われるキアポ地区にあるので油断禁物ですが、個人的にはマニラの必見スポットだと思います!
この記事では、聖セバスティアン教会の見どころやアクセス、注意点などをご紹介していきます。
聖セバスティアン教会とは
聖セバスティアン教会(サンセバスチャン教会)は、フィリピンがスペイン統治下にあった西暦1621年に建てられたカトリック教会です。
建設用の土地を寄進した人物が信奉していたという、3世紀ローマの殉教者 聖セバスティアンにあやかり、その名が付けられました。
教会の建物は木造で建てられたと伝わっていますが、それ以降、暴動に巻き込まれたり、地震や火事などの災害に遭って何度も倒壊・焼失を繰り返すことに。
そこで1880年代に入り、当時の教会指導者はスペイン人建築家 ヘナロ・パラシオスに対し、災害に強い教会を建てるよう依頼。パラシオスは耐火・耐震性を高めるため、完全鉄骨建てという思い切った構造の教会建設を計画します。
1888年から本格的な建設が進み、ベルギーで製造された鉄骨やドイツから輸入されたステンドグラスなども使い、1891年にフィリピン唯一となる完全鉄骨建て教会が完成しました。
完成した建物はスペインのブルゴス大聖堂のデザインも参考に、ゴシック様式の特徴を備えた優美なもの。
教会指導者とパラシオスの願い通り、聖セバスティアン教会は完成以来、100年以上にわたりマニラのキリスト教信仰の象徴の一つとなっています。
聖セバスティアン教会へのアクセス
聖セバスティアン教会は、マニラの超メジャー観光スポット「イントラムロス」とはパシッグ川を隔てた北側にあります。
このキアポ地区は、マニラの中でも治安が悪いエリアとして有名。
「ブラックナザレ」で有名なキアポ教会や複数の大学が建っており、活気はあるものの、どこか気を抜けない雰囲気が漂っていました。
訪れる際には慎重に計画を立てる必要があるでしょう。
ボクは特に怖い思いをすることはありませんでしたが、日本とは比べ物にならない危険なエリア!くれぐれも観光は計画的に!
公共交通機関(バス・電車)ではアクセスが良くないため、配車アプリ「Grab」を使うのがおすすめです。
GPSで現在地や所要時間もわかりますし、料金も明快でぼったくりに遭うことを避けられますよ。
ボクはマカティ地区の宿泊先から聖セバスティアン教会すぐそばまで約8kmをGrabを利用して、料金は338ペソ(約850円)でした。
日本と比べればタクシー料金は圧倒的に安いですね。
下車した先には聖セバスティアン教会の一際目立つ尖塔が見えています。
パステルグリーンの東南アジアらしい外観は、完全鉄骨建とは思えない可愛らしさを感じさせます。
特に入場にあたって手続きなどは無いので、そのまま中へと入りましょう。
地元民の信仰を集める鉄骨建ての教会
教会目の前に設置された駐車場からの一枚。
周辺に高い建物がないこともあり、離れて見ていた時より一際大きく感じます。
教会の向かいに建つ、こちらも鮮やかなブルーの建物は教会関係者の寮なのだとか。
殺伐とした雰囲気のキアポ地区で、ここだけ別世界のような印象を受けました。
ミサの最中は邪魔をしないように!
到着した時はミサの真っ最中で、教会内部をすぐに見学することはできず……。
厳かな雰囲気で執り行われるミサには、教会からはみ出るほどの人が集まっており、フィリピン人の信心深さが伝わってきました。
邪魔をするわけにはいきませんし、やむを得ず一旦撤退し、近くのファストフード店で時間を潰してから戻ってくることに。
美しく厳かな雰囲気の堂内を見学
改めて戻ってくるとミサはすでに終わっており、教会は先ほどまでとは打って変わって静まり返っていました。
ボクの他には二組ほど観光客らしき人たちがいるだけで、大勢の観光客で賑わうイントラムロスの聖アグスティン教会やマニラ大聖堂とは全く雰囲気が異なります。
可愛らしいカラーの外観とは違い、内部はゴシック調の壮麗な造りで厳かな雰囲気が漂います。
ミサの参加者用に設置されているプラスチック製の椅子を除けば、中世の教会そのままのようですね。
細部にまで細かい意匠が凝らされた美しい内装は、言われなければ鉄骨建とは信じられないでしょう。
ボクはここが鉄骨建と知って訪れましたが、それでもそうとは信じられないほどでした!
外の殺伐とした雰囲気とは丸で別世界のようで、キリスト教を信じていようがいまいが、身の引き締まるような心地がします。
聖アグスティン教会やマニラ大聖堂の方が有名かつ壮麗な造りだとは思いますが、個人的にはこの聖セバスティアン教会の方が美しく感じました。
柱の真下から天井を見上げると、美しいだけではなく、力強さも感じられます。
鉄骨製だからといってあまり冷たい無機質な感じはなく、むしろどことなく落ち着く暖かさがあるように思いました。
居心地がいいのか、野良猫も席に着いてリラックスしていました。
人馴れしていたので、もしかすると教会の方が世話をしている子なのかも。
教会窓には大きなステンドグラスがはめ込まれています。
マニラのいろんな教会に佇む募金を募る少年。
こちらの女性はどことなく日本人ぽい雰囲気ですね。
残念ながら祭壇部分は修繕工事中のようで、見ることができず……。
ミサの最中は上の写真にも写っている仮設祭壇を使っていました。
パステルカラーが可愛い外観もチェック!
教会の外に出て、改めてその外観を見て回ることに。
造り自体は内部と同じくゴツゴツとしていますが、硬さよりも柔らかさを感じる気がしますね。
西欧ではまず見ないであろうパステルグリーンの色づかいは、南国フィリピンにはむしろしっくり来るかも。
よく見ると、外観にはサビがけっこう目立ちます。
塗装が剥げている部分もあったり、普通の教会では見られない経年劣化があるのも聖セバスティアン教会ならではですね。
聖セバスティアン教会のまとめ
聖セバスティアン教会は、マニラ観光の定番スポットとは言えないものの、フィリピン唯一の完全鉄骨建て教会です。
パステルグリーンの優しげな雰囲気の外観と、ゴシック調の厳かさを感じさせる内観を持つこの教会は、イントラムロスの聖アグスティン教会やマニラ大聖堂のような伝統的な様式とはまた違った魅力があります。
キアポ地区というマニラでも治安が悪い部類に入るエリアにありますが、足を延ばすだけの価値がある歴史的建造物なのは間違いありません。
海外であることを忘れず、事件・事故に巻き込まれないように注意しましょう!
聖セバスティアン教会のまとめ
- ロケーション 場所が分かりにくいことはないが、公共交通機関ではアクセス難しい
- 一人でも楽しめる? 出入り自由の落ち着いた空間なので、一人でもじっくり見学可能
- 日本語 日本語は通じず、日本語表記の案内なども特になし
- 満足度 完全鉄骨建ての見応えある教会&メジャー観光地から離れた穴場
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